腎不全
腎不全とは・・・
高度の腎臓障害のために生体の内部環境(細胞外液)の恒常性が維持できなくなった状態。
《慢性腎不全》
慢性腎不全とは・・・
いろいろな慢性腎疾患が徐々に進行して、あるいは急性腎不全が長期に遷延して腎臓障害が高度となり、腎臓による生体内部環境の恒常性が維持できなくなった状態。
◎原因疾患:糖尿病性腎症が最も多く(約41%)、ついで慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎などが多い。ループス腎炎、痛風腎などもみとめる。
◎症状:腎機能が低下するだけで自覚症状をみとめない状態から、末期の重篤な尿毒症症状を呈する状態まで幅広い過程を含んでいる。
〔第Ⅰ期〕腎予備力減少期
ネフロンの50%近くが破壊されるが、代償機能は十分の保たれている。
〔第Ⅱ期〕代償性腎不全期
軽度の高窒素血症、尿濃縮力低下による夜間多尿、軽度の貧血がみられ、腎機能は糸球
体濾過値(GFR)で50~30%程度。
〔第Ⅲ期〕非代償性腎不全期
高度の高窒素血症、貧血と電解質異常、アシドーシスがみられGFRも30%に低下。
〔第Ⅳ期〕尿毒症期
消化器症状、神経・筋症状、心臓血管系症状、出血傾向、皮膚症状など特有な尿毒症症
状が現れる。脱水、感染、出血、心不全、誤った食事療法などによって、一時的に急激
に悪化することがある。