食事の援助
食事は、人の生命の維持活動に必要な栄養素を補給するに当たり重要なことである。食事をするにあたり、①認知能力、②姿勢(肢位や必要動作)、③飲食物の形状、④使用器具などを考慮すべきである。
床上期 座位期
【体位】
・誤嚥しない体位をとる。
・麻痺側(右)を上にした側臥位とする。
・頭部を伸展・後屈しないように、枕やタオルで前傾させる。
・端座位を安定させるため、足底をしっかり床につける。
・麻痺側(右)に倒れるため、枕を使い安定させる。
・車椅子に座ることで、安定した体位を取りやすい。
【セッティング・自助具】
・麻痺側を上にした体位を取ることで、介助により摂取することが多いが、麻痺の程度によっては、自己摂取を勧めてもよい。
・握りやすい柄の太いスプーンやフォークを準備し、すくいやすい皿にうつす。食物を小さくほぐす。
・汁物は。吸い飲みやストローを使用する。
・柄の太いスプーンやフォークで一口が小さいものを選ぶ。
・食品がすくいやすい皿にし、皿が動きにくいようにする。
【食事中】
・嚥下を確認し、ゆっくり進める。
・麻痺側に食物が貯留しやすいため、健側に寄せながら進める。
・半側空間無視がある際は、麻痺側(右)の食品を食べ残すことがあるため、左に寄せる。
・健側(左)で食事摂取を進めるが、患者の状況(利き手交換の必要性があるか)を観察し、途中から介助をすることも必要である。
・麻痺(右)の状況にもよるが、スプーンやフォークを使える程度であれば、リハビリとして自己摂取を進めてく。
【食後】
・歯磨きを行う際は、麻痺側に食物が残っていないかを確認しながら介助する。
・入れ歯ははずして洗浄し、口腔内を清潔にした後再度装着する。
・磨き残しがないかを確認し、磨けていない部分を介助する。