9)前立腺全摘後の看護
早期合併症として、リンパ節郭清後のリンパ液の貯留と炎症、および縫合不全などが生じる可能性がある。
リンパ液や膿が貯留するときは、これらの排出を促すためのドレナージが行われる。
また、状況により抗生物質を与薬する。老人に多くみられる術後の低栄養状態による縫合不全に対しては、消毒と栄養補給で対処する。
手術で尿道周囲の括約筋(骨盤底筋群)を支配する神経を損傷した場合は、尿失禁と勃起障害がみられる。
また、術後の創の炎症などで尿道狭窄が生じることもある。
☆ 看護のポイント
・ 排尿障害や血尿の程度を観察する。
・ 骨転移による疼痛や病的骨折に注意する。
・ 治療法によっては副作用、合併症があるため注意が必要である。
☆補足☆
●LH-RH剤
男性の精巣は、男性ホルモンであるテストステロンと精子をつくり
出すが、この機能は、下垂体、および視床下部により調整されてい
る。
特に視床下部から下垂体に向けて放出されるLH・RH(黄体形成ホル
モンー産出ホルモン)は、下垂体からのLH(黄体形成ホルモン)の放
出を促進する。
LHは、精巣のセリトリ細胞やライディッヒ(間質〕細胞にテストス
テロンを多くつくり出すように作用し、精子の形成を促進する。
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