3、 症状
<幻覚>
統合失調症の症状では幻覚が最も多く、人の話し声が聞こえる場合が多くなっている。被害的な内容や命令的な内容のものが多く、患者は心の中や、声を出して幻聴と対話することがあり、意識が清明な状態で起こるのが特徴的である。
<妄想>
関係妄想(被害妄想)、誇大妄想、心気妄想、虚無妄想など様々なものがある。なかでも被害的な内容のものが多く、他者が患者に危害を加えると考えるものである。地位や名誉に関するもの、健康や生命に関するもの、財産や所有に関するものなどが多く見られる。
<自我障害>
主に幻覚や妄想などによって、自分の考えで行動しているという意識が薄れて、他者にさせられたり、操作されると感じるようになる体験である。
思考面において思考吹入(他人から考えを入れられる)、考想察知(他人に考えを知られてしまう)、考想伝播(自分の考えがすぐに他人に伝わってしまう)などのさせられ思考があり、行動面においてはあたかもあやつり人形のようになったと感じる。
そのほか統合失調症に見られる重要な所見としては病識の欠如があり、また原則として意識障害、知能障害は見られない。